アクトアップ通信(第11号)

Ⅰ雇用調整助成金(コロナ対策として休業手当の9割を助成)

新型コロナウイルスの脅威が日に日に増しており、感染者が増加するだけでなく、多くの企業の経済活動にも多大なる影響を及ぼしています。

企業によっては、売上の減少または雇用維持のために、従業員を休業させざるを得ない場合もあります。

そこで厚生労働省では、やむを得ず休業した従業員に支払う休業手当を助成する雇用調整助成金を公募しています。

1.雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例)とは?

雇用調整助成金は、新型コロナの影響による事業縮小などを受けて、従業員を休業させざるを得なくなった場合、その休業手当の一部を助成します。

通常の雇用調整助成金で過去1年以内に受給すると申請できませんでしたが、今回はその規制が取り払われます

また、過去の受給日数にかかわらず、今回の支給限度日数から差し引かれません。

 

2.対象となる休業

2020年4月1日から6月30日までの場合にさせた休業が対象となります。

休業等計画届の事後提出令和2年6月30日まで可能となります。

 

3.助成対象経費

休業を実施した場合の休業手当教育訓練を実施した場合の賃⾦相当額出向した場合の出向元事業主の負担額

 

4.対象事業主

全国の事業主

※事業所設置後1年未満の事業主も含まれます。

 

5.対象労働者

通常の助成対象労働者は6か月以上継続雇用された従業員です。

しかし今回は、新卒社員など継続雇用期間が6か月未満の労働者も対象となります。

また、雇用保険に加入していない労働者(労働時間が週20時間未満のパート等)の休業も対象になります。

 

6.助成上限額

1人1日当たり最大8330円

 

7.助成率

4/5(中小企業)

2/3(大企業)

※助成率アップ要件

(1)1月24日から実際に休業する判定基礎期間(賃金締切期間)の末日まで従業員を解雇していない

(2)その期間の月平均労働者数と比して末日の労働者数が4/5以上

という条件を満たすと、9/10(中小企業)、3/4(大企業)

 

8.教育訓練加算

対象従業員に教育訓練を実施したときは1人1日当たり2400円(中小企業)、1800円(大企業)が加算されます。

 

9.⽀給限度⽇数

1年間で100日までですが、これに加えて4月1日から6月30日までの「緊急対応期間」も追加されます。

 

10.申請要件

(1)生産指標について、提出があった月の前月と対前年同月比で1か月5%以上低下している必要があります。

(2)雇用数について、最近3か月が対前年比で増加していても対象となります。

(3)対象となる休業等の延べ日数について、対象労働者に係る所定労働日数の1/40以上(中小企業)、1/30以上(大企業)である必要があります。

 

11.申請方法

事業主が指定した1年間の対象期間について、実際に休業する判定基礎期間(賃金締切期間)ごとに計画届を提出することが必要です。

計画届を事後提出する場合は、1度にまとめて6月30日までに提出しなければなりません。

事後提出しない休業については、初回は休業開始日の2週間前をめどに提出します。

2回目以降は、開始日前日までに提出します。

最大で3判定基礎期間分の支給申請を同時にできます。

支給申請は判定基礎期間終了後2か月以内にする必要があります。

詳細は下記厚労省のHPでご確認願います。

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主の皆さまに、雇用調整助成金を活用し雇用維持に努めて頂けるよう、特例措置を更に拡充しています。また、申請手続等の更なる簡素化により、事業主の申請負担を軽減し、支給事務の一層の迅速化を...

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Ⅱ2020年度のキャリアアップ助成金

1.賃金規定等改定コース

すべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を改定し、賃金を一定の割合以上で増額した場合に助成されます。

対象労働者数に応じて助成額が変わり、最大360万円(労働者100人、生産性要件)が支給されます。

このコースについて、中小企業において賃金を5%以上増額した場合に加算措置を設けることになりました。

 

★加算の額

・すべての有期契約労働者等の賃金規定等改定:2.375万円

・一部(雇用形態別、職種別等)の有期契約労働者等の賃金規定等改定:1.235万円

 

2.選択的適用拡大導入時処遇改善コース

アルバイトなどの非正規労働者や短時間労働者のために、より手厚い年金や保険制度などを労使合意に沿って導入した場合に助成されます。

1事業所当たり最大24万円(生産性要件)が支給されます。

このコースについて、以下4つ変更点がありました。

令和3年3月31 日までの暫定措置となります。

(1)選択的適用拡大の導入に伴い、社会保険の制度概要等の説明(外部専門家の活用)や短時間労働者の意向の把握など、社会保険の適用と働き方の見直しに反映させるための取組みを実施した場合に新たに助成

(2)上記(1)を実施した事業主が、労働者の体系的な処遇の改善その他の雇用管理の改善の措置、能力の開発や向上を図るための措置を実施した場合の加算措置を新設

(3)上記(1)を実施した事業主が新たに社会保険適用となる有期契約労働者等の賃金の引上げを実施した場合、現行の助成措置を加算措置として助成

(4)現行の助成措置における「3%以上5%未満」の賃金の引上げを実施した場合の助成に加えて、

「2%以上3%未満」の引上げを実施した場合の助成を追加して加算措置として助成

 

★支給額(中小企業の場合)

(1)を実施した場合

1事業所当たり19 万円

 

(2)を実施した場合

1事業所当たり10 万円

 

(3)を実施した場合

3%以上5%未満:1人当たり2.9 万円

・5%以上7%未満:1人当たり4.7 万円

・7%以上10%未満:1人当たり6.6 万円

・10%以上14%未満:1人当たり9.4 万円

・14%以上:1人当たり13.2 万円

 

(4)を実施した場合

2%以上3%未満:1人当たり1.9 万円

 

3.短時間労働者労働時間延長コース

短時間労働者の週所定労働時間を延長するとともに、処遇の改善を図り、新たに被保険者とした場合に助成されます。

延長時間によって助成額は変わり、最大1278万円(対象労働者45人、5時間以上延長、生産性要件)が支給されます。

今回は1時間以上5時間未満延長での助成において、現行制度で「労働者の手取りが減少しない取組みをした場合」を対象としていたものを、「労働者の手取りが減少しないように、賃金を一定の割合以上で増額する措置を講じた場合」に変更されます。

※令和3年3月31 日までの暫定措置となります。

 

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