Ⅰ小学生でも分かる経理6
- 当座比率
B/Sのお話してきましたが、大分頭が痛くなってきた方も多いと思います。
最初は100%分からなくても結構です。
自社の財務諸表を見ている内に、読み返して頂ければ結構です。
前回の説明で流動比率の話をしましたが、下記のB/Sを見比べて下さい。
A
(借方) (貸方)
流動資産
普通預金 600 売掛金 300 固定資産 車両 1,500 |
流動負債
買掛金 900 固定負債 長期借入金 300 |
資 本 | |
資本金 1,000
利益剰余金 200 |
B
(借方) (貸方)
流動資産
普通預金 600 売掛金 300 商品 1,500 |
流動負債
買掛金 900 固定負債 長期借入金 300 |
資 本 | |
資本金 1,000
利益剰余金 200 |
前回お話しました流動比率を比較してみると
A 流動比率 = 流動資産 900 ÷ 流動負債 900 × 100 = 100%
B 流動比率 = 流動資産 2,400 ÷ 流動負債 900 × 100 = 267%
と断トツにBがよく見えますが、前回お話した商品(在庫)が多く、在庫回転率が非常に悪い状態であるといえます。
その時にはもっと換金性の高い当座比率という指標を使いましょう。
当座比率 = 当座資産(現預金、受取手形、売掛金等) ÷ 流動負債×100
AもBも 900 ÷ 900 = 100% と同じになります。
(これは100%ぐらいあると妥当と言えます)
つまり、当座比率は同じであるものの在庫回転率の悪いBの方がよくないB/Sといえるでしょう
- 5つあるP/Lの利益
P/Lは第15号でお話しましたが、
収益 ― 費用 = 利益
で計算し、1年間の成績表だとお話しし、B/Sとも大いに関係あることを説明しました。
この利益には5つの利益があり、それをそれぞれ説明しましょう。
(1)売上総利益
売上高 ― 売上原価で計算され、粗利ともいいます。
サービス業などには売上原価がないため、売上総利益=売上高となることもあります。
そもそも、この粗利がないと、色々な費用を支払うことができません。
あと、「限界利益」という言葉もありますが、それは後日お話致します。
(2) 営業利益
先ほどの売上総利益から販管費(販売費および一般管理費)を引いたもので、営業活動により生まれる利益で、販管費とは人件費、家賃、水道光熱費等の費用をいいます。
(3) 経常利益
営業利益から営業外収益をプラスし営業外費用を差し引いたものをいいます。
通称「けいつね」ともいい、会社の評価によく使われます。
※ 営業外収益=受取利息、受取配当金等
※ 営業外費用=支払利息等
(4) 税引前当期純利益
経常利益に特別利益をプラス特別損失を差し引いたものをいいます。
法人税の計算をするときの利益として認識します。
※特別利益・特別損失=固定資産売却益又は売却損、株式の売却益又は売却損等
(5) 当期純利益
税引前当期純利益から法人税等を引いたものをいいます。
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