Ⅰ社員のやる気を起こさせるには2
前号で、下記のピラミッドの説明を致しました。
経営者は難しく考えず、自分の会社をどうしたいのか、どう社会に貢献してきたいかをじっくり考えて、社員の皆様とじっくり話あって下さい。
当然経営者ですから、ご自分の理想を語ることは大事ですが、それを社員に押し付けるのではなく、社員の意見もよく聞いて、お互が納得するまで話し合いましょう。
- 単年度事業計画の策定
社員とのベクトルがあっていることを前提に、年度末が近づいたら、来年度の目標を考えましょう。
事業計画ですから、今年の予測収入および利益を算定し、来年度はどのくらい収入や利益を増やしたいのか、事業毎に考えます。
そして、数字だけではなく、その目標を達成するためには、具体的にどのような行動が必要か考えます。
社長は大まかに、事業部長はご自身の事業の内容をどうしたいか考え、それらを社員と話し合った上で、それぞれの役割分担毎に具体的な目標を設定します。
例えば、9月決算の会社で今年は10億円の収入、5千万円の利益だったが、結果は7億円の収入、3千万円の利益だったとしましょう。その未達成の3億円及び2千万円の分析をし、今年はコロナの影響で収入と利益が大幅に減ったこと。近隣に競合他社が現れ、その影響を受けたことだったとします。
コロナについては致し方ありませんが、競合他社については何か手が打てそうです。
また、社長は社員の福祉の増進を図りたいとの思いがあり、休暇の在り方を再度考えるように総務部に対して指示がありました。
このように、数値に基づいた対策や社員満足のための対策など色々と検討することは多々あるようです。
この例をもとに、どのようにすればいいか再度整理しましょう。
つまり、翌年度の会社の方針を全社員が確認した上で、それぞれの社員が具体的に何をすればいいかを考える必要があります。
例えば、営業部のAさんは、事業計画達成のために、〇〇地区での〇〇販売数を20%増加する。そのための対策は・・・・・・。という風に具体的に月毎に実行する内容とその目標を設定します。
それぞれ、ペーパーに落として、上司と十分に練った上で計画書として正式に完成させます。
- マイルストーン及びアドバイス
個人別に作成した計画書は実行結果と照らし合わす必要があります。半年後に確認していたのでは、大きな営業チャンスを逃しているかもしれません。内容によっては毎日確認するものもあると思いますが、ここで大事なことは、上司とのコミュニケーションで、社員との確認作業において、上司は親身になってアドバイスをすることが重要であり、上司はここでブレーキとアクセルをうまく使い分けることが重要です。
社員の声を真摯に受け止め話し合うことが大切です。
その中には、仕事以外の悩み事もあるかもしれません。それを行うことにより社員との信頼性を得るとともに、社員のモチベーションもあがるはずです。
(3)評価と報酬
社員は一定のタイミングで評価を行う必要があります。いくら褒めても、それが報酬に繋がらなければ、だんだんと社員のモチベーションも下がっていきます。
それにはキチットした評価基準が必要です。当然、部署ごとで基準は違いますが、部署内の基準は平等でなければなりません。そして、その評価基準は社員の公表する必要があります。
報酬については、それぞれの経営状態により区々でありますが、この評価基準と報酬とは紐づいている必要があり、評価結果については、上司と社員が十分に話し合って、翌期へのステップとなることが大事です。
これらを成功させる為には、全社員が会社の経営理念及びミッションを把握している必要があります。それと中々これを実行するには様々なハードルがあり、難しい面があるかもしれません。
しかし、これはあくまでも、基本スタンスであり、社員が納得し、やる気が起こる唯一の方法であることから、色々と形を変えて実行されることをお勧めいたします。
それと、もう一つ大事なことは月次決算です。会社によっては年1回の決算しか行っていないことが多いと思いますが、それでは1年たたないと会社の状況が分かりません。社員のモチベーションを上げるためにも、月次決算は重要な仕事であるといえます。
この、月次決算については次号に譲ることとします。
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