Ⅰ社員のやる気を起こさせるには1
しばらく、経理から離れて、社員育成について考えてみましょう。
大きな企業から小さな会社まで共通して言えることは、誰しも楽しく、やりがいをもって仕事をしたいですよね。
仕事には様々な分野があり、様々な仕事内容があります。
でも、それって、いつから誰に教わって、何の為にしているのでしょう?
例えば、飲食店の料理を作っている人は、料理学校に行って、料理を教わって、就職して、あるお店に配属された方
普通の学校を卒業して、就職した店の親方からの見様見真似で習得した方等いろいろな過程で料理人になられた方がおられると思います。
その動機についても、子供の頃からの夢で料理人になられた方、たまたま、成り行きでなられた方等これも様々な動機によります。
仕事にも向き不向きがあり、好きだからできるとは限りませんし、興味がなくても一流の方もおられます。
この不況の中、好きな仕事をできたらいいですが、中々そうは言っていられないですね。
でも、どのような仕事でも、
社員がやりがいと意欲を持って仕事ができる
そのノウハウをお教えします。
やはり、キーマンは経営者です。会社の方針は社長が決めるのは当然です。誰も決めてくれません。
では、どのように社員にやりがいと意欲を持たすことができるのでしょうか?
会社の社長は船長です。
どこに、行くにも社長の判断で行くことが出来ます。
しかし、社長一人で船を動かすことはできません。
航海士、機関長、通信長、機関士。甲板部員、機関部員、事務部員等大きな船になるほど多くの船員が必要となります。
しかし、この人達の意識や認識がバラバラだと、船は動かすどころかすぐに座礁してしまうでしょう?
そのためには、企業として、方向性を決める必要があります。
企業により異なりますが、その一例としては上図のようになります。
1.経営理念(企業理念)とは
「企業の存在意義とあり方を言語化したもの」
これだけでは、難しいので、皆様がよく知っている企業の経営理念を紹介しましょう。
TORAYの経営理念
わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します
Rakutenの経営理念
イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする
ココカラファインの経営理念
人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する
NTNの経営理念
新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する
アサヒグループの経営理念
アサヒグループは最高の品質と心のこもった行動を通じて、お客様の満足を追求し、世界の人々の
健康で豊かな社会の実現に貢献します。
高島屋グループの経営理念
高島屋グループは、「人を信じ、人を愛し、人につくす」こころを大切にし、社会に貢献します。
京セラの経営理念
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。
LIONの経営理念
わが社は、「愛の精神と実戦」を経営の基本とし、人々の幸福と生活の向上に寄与する。
これで大体は分かったと思いますが、自社が社会に対してどのように貢献できるかをという姿勢を表したものであり、社員全員が意識すべきものであることから、社長さんは自分の会社がどのように社会に貢献しているかをよく考え、どのように会社をしていきたいかという思いを込めて考えて下さい。
次に、
2.ミッションとは(行動指針)
「使命、重要な任務。会社が具体的に何を目指し、成し遂げたいかを表したもの」
経営理念という形で「会社の存在理由や価値観」を決めたものから、具体的な行動案に落とし込んだものが、「ミッション(行動指針)」となり、具体的に何をすればいいのかを明確することです。
上記のTORAYのミッション(行動指針)を例に上げると
・安全と環境
安全・防災・環境保全を最優先課題とし、社会と社員の安全と健康を守るとともに持続可能な社会の実現に貢献します
・倫理と公正
社会的規範の遵守はもとより、高い倫理観と強い責任感をもって公正に行動し。社会の信頼と期待に応えます。
・お客様第一
お客様に価値の高いソリューションを提供し、お客様の満足と世界最高水準の品質を追求します
・革新と創造
企業活動全般にわたる継続的なイノベーションを図り、ダイナミックな進化と発展を目指します
・現場力強化
相互研鑽と自助努力により、企業活動の基盤となる現場力を強化します
・連携と共創
グループ内の有機的な連携と外部との戦略的な提携により、新しい価値を創造して社会とともに発展しま す。
・人材重視
社員に意欲をもって能力を発揮できる職場環境を提供し、人と組織に活力が溢れる風土をつくります
・情報開示
企業情報の適切な開示とステークホルダーとのコミュニケーション促進により、経営の透明性を維持します
・人権尊重
良き企業市民として人権尊重の責任を果たします
経営理念だけでは絵にかいた餅になってしますので、社員がどのように行動するか、具体化したものです。
3.中期経営計画(3年~5年)とは
具体的な行動指針が固まったら、次はそのスケジューリングです。
長期的なビジョンを実現するために、企業の進むべき方向性を明確にし、「今、何をなすべきか」を明らかにすることを狙いとして策定されるものです。「現状から見た将来を示すもの」と言えます。
例えば、赤字に苦しんでいる企業の場合、1年後に黒字にするのは至難の業かもしれません。
せっかく計画を立てても、実践する意欲にはつながらないかもしれません。
しかし、中期経営計画であれば、1期目が赤字でも「数年後には黒字になる」という希望を持つことができます。
4.単年度計画とは
これは、一般的に翌年度の事業計画を立案することで、翌年の販売目標、利益目標など、事業別、商品別に具体的に計画数、計画額を算定し、月次決算を通じてその進捗状況を管理していきます。
これは、経営者だけが、管理するのではなく、社員ひとりひとりが認識するものです。
では、具体的にどのように管理するのか、どのように社員に対して意識付けするのかは次号に譲ることとします。
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